
フロスを通した瞬間、糸に血がついて驚いたことはありませんか。「傷つけたかも」と、その日から使うのをやめてしまう方もいるでしょう。
結論からいうと、少量の出血だけで直ちにフロスを中止する必要はありません。ただし、力任せに続けるのも禁物です。出血は歯ぐきの炎症を知らせるサインのこともあれば、フロスの入れ方で傷をつけていることもあります。大切なのは、血が出た事実だけで判断せず、出方や続く期間、ほかの症状を見ることです。
フロスで血が出る主な原因は2つ
1.歯ぐきに炎症がある
歯と歯の間にプラークが残ると、歯ぐきに炎症が起こり、軽い刺激でも出血しやすくなります。歯みがきのときの出血は、厚生労働省の歯周病セルフチェックにも挙げられている症状です。
久しぶりにフロスを使ったとき、いつも同じ場所から血が出るときは、みがき残しや歯肉炎、歯周病が関係している可能性があります。痛みがないから大丈夫とは限りません。歯周病は、強い痛みを感じないまま進むことがあるからです。
2.フロスで歯ぐきを傷つけている
フロスを勢いよく歯ぐきへ押し込むと、健康な歯ぐきでも傷がつくことがあります。歯と歯の接触点を越えるときに「パチン」と落とすのではなく、前後に小さく動かしながらゆっくり入れましょう。
入ったら、糸を片側の歯面に沿わせてC字形にし、上下に数回動かします。反対側の歯面も同様に清掃します。歯ぐきを糸で切るような横引きは避けてください。

血が出た日はフロスを続けてもいい?
少量の出血で、強い痛みや腫れがなければ、力を弱めて丁寧な清掃を続けるのが基本です。出血を避けてその場所だけ清掃しなくなると、プラークが残り、炎症が続く可能性があります。
一方、同じ場所から繰り返し出血する場合は、「もっと強くこすればよい」という意味ではありません。使い方が合っているか、歯石がついていないか、歯周ポケットが深くなっていないかを歯科医院で確認する必要があります。

フロスと歯間ブラシ、どちらを選ぶ?

歯と歯の隙間が狭い場所にはフロス、隙間が広い場所や歯ぐきが下がった部分には歯間ブラシが使いやすい傾向があります。ただし、歯間ブラシは大きすぎるサイズを無理に入れると、歯ぐきを傷つけることがあります。
「全部フロス」「全部歯間ブラシ」と決める必要はありません。場所によって使い分けてもよく、ブリッジや矯正装置がある場合には専用の道具が向くこともあります。迷う場合は、お口に合う種類とサイズを確認してもらいましょう。
早めに歯科医院で確認したいサイン

次のような場合は、セルフケアだけで様子を見続けず、歯科医院へ相談してください。
- 丁寧に使っても、同じ場所の出血が続く
- 歯ぐきの赤み、腫れ、膿、強い口臭がある
- 歯が浮く、ぐらつく、噛みにくい
- 出血量が多い、なかなか止まらない
- あざが増えた、鼻血も出やすいなど、お口以外にも出血傾向がある
歯科医院では、歯ぐきの状態や歯周ポケット、歯石の有無などを確認します。出血の原因がフロスの使い方なのか、歯肉炎や歯周病なのかを分けて考えるためにも、繰り返す出血を放置しないことが大切です。
「血が出たから中止」ではなく、原因を確かめよう
フロスの出血は、歯ぐきからの小さな知らせです。少量なら、まず力加減と入れ方を見直してみましょう。それでも続く場合や、腫れなどを伴う場合は、早めの確認が安心です。
はれのひ歯科・矯正歯科は、2027年5月に名古屋市中川区丸米町で開院予定です。開院後は、お口の状態に合ったフロスや歯間ブラシの選び方、無理なく続けられるセルフケアについても一緒に考えてまいります。
